作品の価格を下げる意味

作品の価格を下げるのはどういう影響があるのかというお話です。

売れないからという理由で下げた場合のメリット・デメリットについて、私が見てきたこと感じてきたことをお話します。



こんにちは。

Famiguramです。

今回は自分の作品の価格を下げる意味についてのお話です。

価格を下げるとどんなことが起きるのか、価格を下げずに売るにはどうすれば良いのか。

私が実際に見たり感じたことを話していこうと思います。

なぜ価格を下げるのか

価格を下げる理由は主に、売れないからだと思います。

自分の作品を販売するときにしばらくしても売れないから価格を下げることがあるのだと思います。

私が見てきた方々もそのような理由が多かったように思います。

それでは、価格を下げると長期的に考えて自分にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。


価格を下げると何が起きるのか

それでは価格を下げると何が起きるのか。


メリット

売れる可能性がある

デメリット

活動が続けられなくなる可能性がある
既存のファンが不安になる場合がある
他の作家に迷惑をかける


まずメリットについてです。

これは「売れる可能性がある」ことだと思います。

可能性があるというのは、価格を下げたからといって必ず売れるわけではないからです。

売上がでるので一時的に安心はしますが、価格を下げたことにより本来の売り上げより落ちます。

売れないよりマシと考える人もいますが、私は長期的に見てデメリットが大きいと考えています。

それを次に話します。


デメリットその1「活動が続けられなくなる可能性がある」です。

例えば、1個1万円の商品を売っていたとします。

売れないからといって価格を8千円に下げたとします。

月に10個売れている場合、前者は10万円ですが、後者は8万円です。

よって、2万円の差が毎月発生します。

年単位で考えると24万円の差が出るのです。

月2万円だと大して差が無いように感じるかもしれませんが、年単位で考えると大きな差になります。


逆に月10万円の売り上げを出す場合、1万円の商品だと10個売れば良いですが、8千円の商品だと13個売る必要があります。

価格を下げてしまったことにより増えてしまった3個分をどうやって売るのでしょうか。

売れないから値下げをしたのに、より多くのお客様に買ってもらえる保証はあるのでしょうか。

考えてみて欲しいのは、10人のお客様に売るのと13人のお客様に売るのではどっちが易しいかということです。

私は10個売る方が易しいと思います。

合計の価格が同じだった場合、人数が少ない方が売れる可能性があるのです。


これは極端な例ですが、私の周りを見るとこれと似たようなことをしている方が見受けられます。


デメリットその2「既存のファンが不安になる場合がある」です。

これも活動が続けられなくなるという話に繋がります。


ファン目線で考えてみましょう。

自分が応援している作家さんが活動をやめるという話になってしまったらどう思うでしょうか。

私は悲しいです。

その方の作品が好きで買っていたのに、活動が続けられなくなってしまい、もう買うことができない。

そんな状況になってほしくはありません。


ですので、一見すると作家さんが価格を下げることは作品を購入する側にとっては買いやすくなるし、嬉しいことのように感じるかもしれません。

ですが、その作家さんのファンであり、作品が好きで買っている人からするとその価格設定で活動を続けられるのか不安になるのです。


かくいう私も、イベントにおいて金額を見ずに購入を決めたお客様を見て、「(価格が)高いですが大丈夫ですか?」と聞いてしまったことがあります。

ですが、お客様は「作品が気に入ったから価格なんか気にしない」とおっしゃいました。

そのお客様にとっては私の作品を購入することにためらいが無かったのです。

そのお客様は今でも私の新作を楽しみにしてくれているそうです。

ですので、ファンを大切にするためにも自分の首を絞めることはしないでください。


デメリットその3「他の作家に迷惑をかける」です。

以前、1個500円であみぐるみを売っている人がいたという話をしました。

まだ読んでない方はぜひご覧ください。 famiguram.hatenablog.com

これは安い価格をつけて販売していた人の話ですが、価格を下げることによる影響も同じだと思います。

例えば、同じ品質の商品が他の店より500円安く売られていたら安い方を買う方が多いと思います。

それと同じことです。

さらに言うと、「○○さんは500円で売ってたのになんであなたは1000円なの」と他の作家に対して言う人が出てきます。

自分1人じゃ大して影響はないと思うかもしれませんが、他の作家が真似をして低価格帯で勝負を始めるとそのジャンル全体の価格が低下します。

そうすると、低価格商品ばかりが売れて作家として生活をしていた人たちの作品が売れなくなったり生活できる金額が稼げなくなったりします。

さらに、低価格帯で売っている人たちも少ない金額しか稼げないので、生活できなかったりして活動の継続ができなかったりします。

もともと周囲より非常に高価格で販売していた場合は自分にしか影響はないかもしれませんが、価格を下げて安い価格で販売をするというのは自分だけへの影響ではないのです。

ですので、売れないからと言って価格を下げずにその価格で売るために何をしたら良いのかを考えましょう。


価格を下げないためにできること

価格を下げないで売るためにはどうすればよいのでしょうか。

それは作品が売れない理由はどこにあるのかを考える必要があります。

作品の品質でしょうか?

それともお客さんが見てくれていないのでしょうか?

作品の品質が問題ないのであれば、集客の方に目を向ける必要があります。


例えば、作品を見てくれた100人のうち1人のお客様が作品を買うとします。

購入率は1%ですね。

では、この購入率が変化しないと仮定すると、母数が100人から1000人になったら購入するお客さんは何人でしょうか。

10人です。

同じ価格の作品を購入していた場合、売り上げは単純計算で10倍になります。


このように、集客は母数を増やして購入者の絶対数を引き上げることに効果があるのです。

購入率は変わらないかもしれません。

むしろ下がってしまうかもしれません。

それでも、見てくれる人が100人より1000人いる方が作品を購入してくれる人が多くなる可能性は高いのです。


集客と聞くと難しいと思うかもしれませんが、今はSNSがある時代です。

TwitterInstagramTikTokなどが広く使われていますし、Youtubeやブログなど色々な方法があります。

お金をかければ広告を出すことも可能です。

お客様がなかなか増えないのであれば、集客に目を向けてみると良い結果につながるかもしれません。


他にも、リピート客を作るためにどうしたら良いのか。

オンラインショップやイベントに出てるなら梱包の方法を見直したらどう変わるだろうか。

色々と考えることはできます。

正解が決まっているものではありませんので、自分で色々と試してみてどういった結果があったのか地道に調べる必要はあります。

ですが、やったことは自分の経験になりますし、それで良い結果が得られたら大成功です。


かくいう私も常に試行錯誤を繰り返して今の形になっています。

梱包を見直した結果、お客様から褒められた経験もあります。

今後、梱包の仕方が変わることなんて充分にあり得ます。

試行錯誤を繰り返していくしかないのです。


どうしても価格を下げたいなら

それでも売れた方が良いから価格を下げたいと考える人もいると思います。

どうしても下げたいならセールを使うのが良いと思います。

季節限定、在庫一掃、活動1周年記念...様々な理由をつけてセールをすることができます。

それでお客様の反応を見てください。

セールになった途端にたくさん売れましたか?

セールにしても売れませんでしたか?

この結果でやることが見えてくると思います。


最後に

私は売れないからという理由で価格を下げることにあまり良い印象を受けません。

それは活動継続ができなくなるなどの長期的なデメリットがあるからです。

もちろん、一人一人の考えがあっての行動ですので、やっても良いと思います。

しかし、自分が生活のために作家活動をしているのであれば、今一度考えてみてください。

1万円で売れないから8千円に下げるのではなく、1万円で売れる方法を考える方が良いと思います。

ハンドメイド作家は作品を見てもらい、買ってもらうことで生活が成り立っています。

自分の首を絞める行為には気を付けましょう。